今回は、子どもから大人まで発症する可能性のあるアトピー性皮膚炎について説明していきます。

まず初めに、アトピー性皮膚炎とはどんな病気か。

『アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くは「アトピー素因」を持つ。特徴的な左右対称性の分布を示す湿疹性の疾患で、年齢により好発部位が異なる。乳児期あるいは幼児期から発症し小児期に寛解するか、あるいは寛解することなく再発を繰り返し、症状が成人まで持続する特徴的な湿疹病変が慢性的にみられる。』

これが、日本皮膚科学会が定めるアトピー性皮膚炎の定義です。

アトピー性皮膚炎といえば、名前の通り諸々の皮膚症状(皮膚が過敏になる、炎症が起こる、かゆみを伴う、、、)が現れることが特徴です。

①皮膚過敏

皮膚(表皮や角質)には、体液の漏出防止や角層内水分保持、および生体防御に貢献するバリアを形成するなど、様々なバリア機能を持ち合わせています。

アトピー性皮膚炎では、これらの機能が低下することで肌の水分量が不足し、乾燥肌となります。結果、外からの様々な刺激に過敏に反応してしまうようになります。

②炎症

皮膚のバリア機能低下は、アレルゲンの皮膚への侵入しやすさに繋がります。アレルゲンとは、自分の体には存在していない異物や外敵のことを指します。アレルゲンが体内に侵入すると、アレルギー反応が起こり体内から排除しようとします。皮膚のバリア機能低下により、このアレルギー反応が過敏に起こるようになることで、炎症を誘発する物質が体内で放出されます。

③かゆみ

アトピー性皮膚炎の病変部からサイトカインや化学伝達物質といわれる、痒みを引き起こす様々な物質が放出されます。これらは神経に作用することで痒みを誘発し搔破(掻いてしまう)行動を引き起こします。この掻くという行為が、皮膚炎を起こす悪循環となっていきます。

アトピー性皮膚炎などの慢性炎症では、皮膚の感覚過敏が生じています。アトピー性皮膚炎では、痛覚あるいは熱痛覚刺激が痒みを誘導するといわれています。

かゆみをイメージする視覚的情報や、皮膚をボリボリと掻く音などの聴覚的情報も痒みを誘導することが分かっています。

その他、交感神経・副交感神経のバランス、精神的・心因的生活リズムの悪化もかゆみの発症および悪化に関与します。

アトピー性皮膚炎の諸症状が起こる原因がイメージできたでしょうか?

次回はアトピー性皮膚炎が起こりやすくなる要因について説明していきます。